川井洋基
梨の高温障害対策についてお伺いいたします。
昨今の異常気象は農作物の栽培に大きな影響を与えるものがあります。夏の記録的な暑さと秋遅くまでの夏日の連続、何と12月の半ばまで夏日が発生する気象史上初の記録を塗り替えたことも記憶に新しいところであります。
さて、梨は栽培に適した平均気温が摂氏19度~21度であることから、沖縄県では現在も栽培ができず、したがって、梨の生育に最も影響を及ぼす高温障害というものがあり、昨年度は例年よりも高温期が長く、梨の果皮や果肉が黒ずみ、出荷できずに廃棄せざるを得ない梨が出始めました。特に、晩生種である新高に顕著な障害が出たところであります。
昨年、新高への影響が特に大きかったと栽培農家から聞きましたが、本市では新高はどれだけ栽培されているのか。また、近隣市では新高のほとんどが出荷できず、農業経営に大打撃を受けた農家もあると聞くが、本市の昨年の梨の生産及び被害状況についてお伺いいたします。
お答えいたします。
令和元年度の調査では、作付面積順に幸水が57%、豊水が27%、次いで3番目が新高になりますが、割合で申しますと7%でございます。
また、本市の状況といたしましては、一部出荷組合で新高の出荷量は7割程度に減ってしまったものの、新高の単品種栽培をしている農家はなく、主力である幸水、豊水は収穫時期は早まりましたが、比較的順調な生育だったこと、生産状況も例年並みであったこともあり、農業経営に与えた影響は少なく済んだものと認識してございます。
以上でございます。
議員 ご答弁ありがとうございました。
さて、近年の異常気象による地球温暖化はもはや止めることができず、本年は昨年以上の気温の上昇が危惧されているさなか、既に本年2月20日には太平洋側を中心に千葉県や群馬県で何と25度を超える冬の真っただ中での夏日の発生があり、観測史上最高温度を記録しました。今後も地球温暖化はますます加速すると言われており、今後農作物全般に与える影響がどのように出るのか、初めての異常高温で分かりませんが、高温化により主力の幸水、豊水に影響があった場合は、梨農家にとっては死活問題であります。
また、全国で5番目の生産量がある千葉県のブルーベリーも、例年の5倍以上の全体で2割の廃棄量が発生したところであります。
しかし、中長期的に見ると、将来的に梨の主産地は東北や北海道に移ると言われ、秋田の農業試験場では既にミカン栽培の試験研究を始め、千葉県下でも中南米が主産地のアボカドが路地でも生育するようになり、梨、ブドウ、リンゴなど、将来は果樹生産地が移転していくことは想定されております。
異常気象による現実的な高温障害の対策としては、一般の園芸農家では寒冷紗を使用していますが、この対策として、新高の高温対策としても最も簡易な方法は遮光率50%の寒冷紗を現在普及している多目的防災網の上に施すなどが、梨園の外気温を下げる効果的な対策と私は考えておりますが、市は地球温暖化による農作物の収量減少に結びつく高温対策、特に梨ですが、どのような対策を考えているのか。お伺いいたします。
経済部長(市原保紀)
議員からご紹介いただきました寒冷紗につきましては、作物の周辺温度を下げるのに有効な対策の1つと考えてございます。
今後、農業センターの梨試験圃場及び新高を栽培する農家の協力を得て実証実験を行うなど、効果的な高温対策について鋭意研究してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。