令和五年度第四回定例会(一般質問)街路樹の在り方について

 

◆川井洋基

 本市の街路樹には、イチョウ、ケヤキ、クス、ユリノキ、フウ等のたくさんの街路樹がありますが、その主たる維持管理である樹木剪定については甚だ市民の評価がよろしくなく、現在、近隣市と比較してもかなり見劣りする管理状態であると言わざるを得ません。
 その一例として、例えば、船橋大神宮から市場に至る市道のイチョウ並木は、秋の紅葉を待たずに、つまり落葉する前にですが、枝を全て強剪定してしまう。
 また、船橋駅北口の市道にあるユリノキに至っては、全ての枝を根本から伐採し、主幹が1本の電柱のごとく立っているのも見かけました。
 さらには、現在、船橋駅の西武デパート跡地脇のクスも、剪定は街路樹というより盆栽仕立てのばらばらな樹形の剪定であり、およそ周辺の景観構成に寄与するどころか、かえって駅周辺の美観を損ねていると言わざるを得ず、これは本市の他の市道や都市計画道路の街路樹も同様であります。
 本来、街路樹は都市の景観構成の主役の1つとして、市民に緑による安らぎと美しく統一された樹形が雑然とした町並みに修景と統一感を与える大事な役目を担っております。
 お手元に写真がありますので、松戸市と習志野市の写真をご覧ください。本市の街路樹が、私的に見れば、無残な形状の樹木に連年貴重な市税を無駄遣いしていると言わざるを得ないものであります。
 また、この原因と責任を街路樹を担当する市の職員に求めるのは甚だお門違いであると思っております。
 その理由は、公園や緑地、あるいは街路を構成するほぼ全ての緑は生きた植物の緑であり、その管理の適否で町並みの住環境の良否が決まると言っても過言ではありません。
 船橋市の緑、特に街路樹に特筆すれば、市の人的組織運営、つまり、ガバナンスに欠陥があるのではないかと言わざるを得ません。
 お手元に配付の総務部人事課の資料をご覧ください。
 公園や緑地に関わる大学のカリキュラムの専門的学科は、関東ではこの2大学が主なものであります。かく言う私も造園学科出身であり、50年以上前になりますが、民間に在職中、建設中の東名高速道路の山の切土のり面の緑化や三浦半島の大規模な宅地造成地の山の切土面の急斜面をロープを使い植樹する特殊な緑化の指導監督もしてきました。
 現在、船橋市の45に上る各職種には存在しないものの、れっきとした造園職であると自認しております。
 ちなみに、本市の歴代の建設局長も造園職であると伺っております。
 さて、私は大学では庭園や公園の歴史や設計、それを構成する樹木をはじめとする植物学も学びました。人事課提示の出身大学別の資料によると、造園を専攻し、そのカリキュラムを履修した専門的知見のある市職員は現在19人が在職し、土木職としての採用は僅か6人しかおりません。
 さらに、下表をご覧ください。
 現在、公園や緑地を担当する公園緑地課、街路樹を担当する道路維持課には専門的知見のある職員はただの1人も配置されておりません。道路や下水道を担当する土木職、建築を担当する建築職、これらと造園職は全く違うカリキュラムを履修しており、造園職が土木を担当したり、土木職や建築職が公園や街路樹を担当することは本来あり得ず、人材の有効活用とは全く相反するものであります。
 私が市職員として在職していた時代は、もっと適材適所の職員配置であったと思っております。
 また現在は、私の在職当時よりもはるかに有能な職員がたくさんおり、したがって、人事課の人材育成室ではなく、人材活用室と改名すべきだと申し上げたい。
 つまりは、本市の人事管理は、殊、技術職員に関しては全く職種の違いや実情を反映してない人事が今日の船橋市の公園や街路樹の管理レベルの低下を招いたと言っても過言ではなく、担当する職員の責任や能力では全くなく、市当局のガバナンスに問題があると判断するものであり、職務に精通した職員がいるにもかかわらず、あたら貴重な人材の無駄遣いではないでしょうか。
 これを機に造園や園芸の専門職としてのカリキュラムを履修した職員を公園建設や管理、あるいは道路維持課の街路樹担当に配置換えをするとともに、さらには、本市の職員募集には造園職の記載がないため公園行政に携わることができず、やむを得ず一般職で入庁した職員にも任用替え等のチャンスを柔軟に考えるべきであります。
 本市の街路樹は32種、7,700本。また、公園や緑地等は現在1,053か所にもなりました。
 したがって、今後は先進市を調査し、公園や街路樹に携わる新たな職種として造園を加えるべきだと強く要望するものであります。
 さらには、私が委員長をしております建設委員会では、現在の船橋市の街路樹の管理上の瑕疵についての問題提起が副議長の藤代委員からあり、本年10月31日と11月1日にわたり、建設局長及び道路部長と共に、兵庫県芦屋市と西宮市の街路樹の現状視察及び調査を行ってまいりました。
 特に、西宮市の土木事務所では、大学の造園を後期博士課程までも履修した女性リーダーを筆頭に3人の女性チームが街路樹の管理と巨木化した古い街路樹や不適格な樹種のリノベーションに積極的にチャレンジしていたことが強く印象に残りました。
 お手元の写真の松戸市や習志野市のように、専門的知見のある職員の活用と適切な配置をすることにより、街路樹管理経費の的確かつ効率的な運用を図り、良好な都市景観を創出することが(予定時間終了2分前の合図)できるものであります。
 以上、人事担当所管のお考えをお聞きいたします。



◎総務部長(鈴木幸雄) 

 本市の人事配置でございますが、大学等で専攻した専門的知識や職員本人の意向、人材育成の視点を含めた所属長からの評価等に考慮しながら、各所属で担当する業務が適切に執行されるよう組織の必要により行っており、状況によっては職種にとらわれない柔軟な配置も行っているところでございます。
 また、各所属においては、国や県、各種団体等が行います所管業務に関する研修会等に職員が参加し、専門的な知識の習得、能力の向上に努めているところであり、造園に関する業務も同様であるというふうに聞いております。
 今後におきましては、職員募集の際に、土木職として造園や街路樹の管理等の業務に携わる機会があるということを分かるようにするため、受験案内の記載内容を工夫するとともに、入所後におきましては、各職員の知識・経験・能力を最大限発揮し、様々な行政ニーズに的確に対応できるよう、適材適所の人材配置に努めてまいります。
 以上です。


   

◆川井洋基

 ご答弁ありがとうございました。
 改善に向かうと非常に私もうれしいし、船橋市民も今後、街路樹、写真にあるように、他市のように、すばらしい街路樹が見れる日がいずれ来るのかと楽しみにしております。
 ただ、やっぱり私が申し上げたかったのは、職員募集のときに土木としか書いてない。それを見れば、造園学科出た人は、ああ土木かって。じゃあ我々は募集されてないんだなとして、集まらない。優秀な人材ほど来ないですよ。土木としか書いてなければ。そこにね、造園職も含むと書いてあれば、自分のね、働き場所もあるんだということで、優秀な人材も集まる。それが責任だと私は思いません。しかしながら、近隣他市と比べると、船橋市が公園、街路樹の樹木管理に著しく劣っていることは間違いないものであります。今後、それでは市民の財産としての緑や街路樹を改善するために、人事当局もしっかりと優秀な人材を集めるように努力していただきたいと思っております。本日はありがとうございました。

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