本年2月22日の千葉日報によると、千葉市動物保護指導センターは2015年度から猫の殺処分ゼロを継続しており、引き取り収容する猫は大半が子猫であるが、ミルクボランティアの募集や、収容猫と希望者家族とのホームページでの写真や動画の公開後、お目当ての猫と対面する「お見合い会」を行ない、ほぼ100%の成功率となり、また譲渡したい人と飼いたい人を指導センターの専用ページを通じ引き合わせ、一定の成果を上げるなど様々な対策を講じて殺処分をなくす努力をしていると報じられておりました。
一方、所有者不明で引き取った成猫の譲渡に適さない猫の殺処分について県内自治体の令和2年度の状況を調査したところ、千葉市、船橋市、柏市を除く千葉県内の人口は4,215,925人となり、私の試算ではこの県内人口10万人当たり殺処分数は約1.
64頭になりますが、千葉市、柏市は人口比で共に0頭、しかし船橋市は何と約6.05頭と突出して高く3市を除く県内人口比に対するとなんと約3.8倍の県内一の高い殺処分率となっているものであります。
動物愛護精神は世界の潮流と常識になっている今日、本市の保健所による所有者不明の成猫の引き取り数が異常に高くなっている事と相関関係があるのではないかと疑われるものであります。
動物愛護及び管理に関する法律の第35条の3には犬又は猫の引き取りを求められた時は、これを引き取らなければならないとあるが、一方法施行規則第12条には所有者の判明しない猫の引き取りを求める場合は周辺地域の複数住民の日常生活に著しい支障を及ぼしていると認められる事態、かつ当該支障が複数の周辺住民からの都道府県知事に対する苦情の申し出により、周辺住民の日常生活に著しい支障を及ぼしている特別の事情があると認められる事態云々、と厳しく制限がされております。
関係県市に電話で問い合わせをしたところ、(所有者不明の成猫の)千葉県は原則引き取りはしない、千葉市はホームページに「猫の捕獲は絶対にしないでください。当センターでは引き取りません。」と記載している。
また柏市は所有者不明の成猫の引き取りについては一切引き取らないとの回答でありました。
本市の動物愛護指導センターでの対応は、TNRや地域ネコ活動などの対策を講じてもなお周辺の生活環境が損なわれる事態が継続している場合は、法35条第3項に基づき猫の引き取りを行なわなければならないと明記し、市動物愛護指導センターへ相談してくださいとも明文化しております。
しかし所有者不明の場合であっても猫の引き取りには、前述の法施行規則第12条の高いハードルがあり、更に地域ネコ活動やTNRなどの対策を講じる前提があるにも拘らず、本市の場合現地調査や市民に対する指導と啓発が十分になされず、すぐに引き取りに応じている場合もあるとの話も聞いております。
又、本市保健所は他市に比べて高い引き取り数であるにも拘らず、敢えて譲渡件数の増加を示しその成果を誇示しておりますが、このことは一方で譲渡の市民ボランティアの多大な負担増や地域ネコ活動の衰退に繋がり、また譲渡に適さない猫の殺処分の増加も同時に招いているものであります。
保健所は法施行規則第12条を厳格に適用する事により、県や千葉市、柏市の様に猫の引き取り頭数を減少させる事になり、県内で特異的に高い不名誉な殺処分率の低下に繋げることが出来るのではないかと思うものであります。
今後も、他市に比べ高い殺処分率を続け維持し続ける事は、生きとし生けるすべての生き物の命に対する尊厳をないがしろにする行為に等しいのではないでしょうか。他市をと足並みを揃え、本市も是非殺処分ゼロを目指してほしいと思っております。
なお、本件については改めて論議をする予定とありますので、今回はその推移を見守るための要望と致します。
(令和4年9月の議会で更に追及してまいります)