令和四年度第一回定例会(一般質問)子ども食堂の公民館利用について

 昨今、子供の貧困の問題がマスコミ紙上で取り上げられることが多くなって参りましたが、経済大国と言われたこの日本の社会で貧困と社会の所得格差が顕著化してきたと言われ始めたのはあの2008年のリーマンショック後であり、その後に子供達の食の貧困が取りざたされるようになり、無料か定額で食事を提供する市民レベルの運動として「子ども食堂」のボランティア活動が全国的に広がってきたと言われております。

 

 特に昨今では、コロナ禍による失業や収入減あるいは非正規労働者の増加などの社会的要因も加わり、子ども食堂は昨年末には全国で何と6.000ケ所以上も存在し、更に本年度に至っては前年より2割以上の1,040ケ所も増加した事がマスコミ報道されておりました。

 

 また全国の40都道府県に於いては前年より「子ども食堂」が更に増加し、今日子どもの貧困率は7人に1人になっていると聞いております。農林水産省は「子ども食堂」を支援するため政府備蓄米の無償提供を拡充し、申請一回当たりの上限を30kgから4倍の120kgに引き上げました。 

 

 しかし、地域の貧しい子供たちを見兼ね、その対策と改善を模索する多くの善意のボランティア市民にとっての最大のハードルは、開催場所の確保とその運営資金の調達であります。一般民家を借り上げることも不可能ではありませんが、家賃や光熱費、あるいは近隣住民の理解等々のハードルが高く、その利用には初期投資を含め多くの課題があり困難であると思っています。 

 

 そこで、市内26ケ所にある市の公民館を利用させていただくのが最善の策ではないかと私は考えており、その理由としては公的で何も所属しない公民館は、参加する子ども達や地域の親にとっても安心して気兼ねなく利用しやすい事。公民館に地区社会福祉協議会が併設されており、地域のボランティアの市民と福祉が近い距離で、一緒に子ども達を見守り協力しあう体制が作りやすい事。公民館は全ての学区に所在するため、公民館を使っての開催は、その地域住民の理解と協力が得やすく、また公民館の利用が可能となれば、新たに「子ども食堂」を立ち上げる市民団体の開催場所の確保と選択肢を広げることが出来る事。  

 

 以上が公民館の利用上のメリットでありますが、一方で公民館の利用は「子ども食堂」の運営団体側に「公民館の使用料」が固定費として発生することにより、市民の善意に支えられている市民団体の限られた運営費の中では過大な負担となっていると聞いております。

 

 たとえば、あるいは団体の試算では月一回の開催で、調理室や食事場所などの使用料が年間約10万円以上にもなり、またその準備や打ち合わせ等で更に経費が増大し、その開設に大きな負担と障害になっていると聞いております。 

 

 「子ども食堂」の市民有志ボランティアは「子どもの孤食解消や地域共生のための居場所づくり」など、現行の自治体による公的扶助制度や施策だけでは十分に対応しきれない社会福祉の課題を、市民ボランティアによって補い健康で平和な地域社会の再構築に寄与するため、日々多くの善意の市民が試行錯誤しながらも日夜頑張っております。 

 

(質問)

  そこでお尋ね致しますが、現在市内の公民館を利用している「子ども食堂」の団体及び今後公民館を利用して開催する予定の市内の「子ども食堂」の市民ボランティア団体の現状をお伺い致します。 

 

 市長は「令和4年度市政執行方針」で「子どもの貧困、ヤングケアラーなどの市内の子供たちの実態に応じたきめ細かい支援や、子供たちの未来につながる施策を展開してまいります」とうたっておりますが、私が「子ども食堂」に関する公民館利用の調査をしたところ、現在県内では近隣の市川市、野田市、柏市、市原市、八千代市、浦安市、木更津市、印西市の8市ではすでに公民館の利用とその無償化をスタートさせております。 

 

 本市でも地域社会と市政に貢献している市民ボランティア団体に対して、中核市トップの面目にかけ公民館の使用料の減免を新年度から早期に実現し、船橋市の次代を担う子ども達のために積極的な支援をしていただきたいと思っております。つきましては無料化実現の目途はいつ頃になるのかお伺い致します。  

 

(答弁)生涯学習部長(社会教育課)

 まず子ども食堂を運営する団体の公民館の利用状況でございますが、現在、公民館で活動を行なっている団体は3団体で、習志野台、塚田、西武の3公民館をご利用いただいております。今後、夏見公民館での活動を予定している団体が1団体ございます。 

 

 使用料の減免についてですが、子ども食堂の活動は、単なる食事の提供にとどまらず、地域の子供たちが安心して過ごせる場所を提供するもの、また地域のつながり作りを促進する、交流拠点の役割もあることなど、非常に公益性の高い活動であると認識しているところです。

 

 子ども食堂が、公民館を活動場所として、ご活用いただきはじめたのが、令和2年度からといったこともあり、現在のところ、子ども食堂を運営する団体については、減免対象となっておりませんが、今回ご質問をいただき、公民館としても改めてその活動を支援していく必要性を強く感じたところでございます。こうしたことから、今後新年度からの実現に向けて、関係部署と調整を進めてまいります。

 

※夏見のおうち子ども食堂の活動を支援

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